プレスリリースのご案内:世界初!反射・無反射同時ライブ映像撮影
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内視鏡の歴史が変わる
世界初!切替なしで反射・無反射同時ライブ映像
当社は世界で初めて内視鏡の「反射・無反射同時ライブ映像技術」の開発に成功。
今までの内視鏡は内蔵照明による対象物の「反射映像」のみを表示していた。
本技術は「反射映像」に加えて、表面反射の無い「無反射映像」を同時にライブでモニターに表示することを可能にした。
「反射映像」では表面反射映像を含むことで皮膚粘膜の凹凸形状も撮影でき(写真1)、「無反射映像」では表面反射を完全に消去することで皮下の血管・色素の映像が鮮明に撮影できる(写真2)。 これによって内視鏡検査の鑑別の精度を向上させる期待が持てる。特許出願済。
当社では、皮膚がん診療の世界的権威である東京女子医科大学東医療センター皮膚科田中勝教授のご指導の下、「反射」「無反射」映像を、手動切り替え式で撮影できるマイクロスコープを販売しており、皮膚がんの診断領域では10年以上にわたっての実績がある。
皮膚癌においては、無反射映像の皮下の血管や色素分布を確認することが悪性診断の重要な目安となる。
内視鏡においては手動切り替えでなく、例えば胃カメラにおいて、二つの映像を同時に観測することで「胃潰瘍」と「胃癌による潰瘍」の鑑別などの精度があがることが期待される。
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今回の発明の「無反射映像」は、照明光と撮影光学系とを直交する偏光素子を配置することで得られる。
そして、この偏光方向を撮像素子の映像フレームに同期させて高速で回転することで、二つのライブ映像を同時に見ることを可能にした。
この技術開発は当社が10年前から取り組み続けていたが、高速で動作する光学素子がなかったため実現不能であったが、近年、高速な光学素子、デジタル電子回路が安価で小型なものが入手可能になり、世界に先駆けた発明に至った。
近年、内視鏡による検査・手術は飛躍的に増加しており、日本で年間1千万件以上、世界ではその10倍以上の件数に上るものと想定される。内視鏡に本「反射・無反射同時ライブ映像技術」を利用することで診断、治療の精度があがり、患者本人の負担も軽減。癌治療などの早期発見の一助になることは間違いない。
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なお、この発明は医療分野にとどまらず、工業用内視鏡分野での検査にも活用できる。
右記は樹脂表面の反射・無反射同時ライブ映像のキャプチャ
プレスリリース 2012年5月10日
Date: 2012-5-18